はじめに:刑務所にいる大切な人へ、本で希望を届けたい
刑務所にいる家族や友人に、何かできることはないか――。
そんなときに多くの人が考えるのが「本の差し入れ」です。
本は、刑務所の中でも、
心を外の世界へとつなげる窓のような存在。
孤独な時間を癒やし、
自分を見つめ直すきっかけにもなります。
本で人生が変わります!
刑務所で約8年半生活し、
一か月10冊、一年で120冊、
8年半で1020冊は読みました。
この記事では、
「刑務所にいる人に差し入れて本当に喜ばれる本」
を10冊、
ジャンル別に紹介します。
【同じような記事をいくつか書いていますが、
それぐらい刑務所では本が重要です!】
出所後の再出発につながる実用書から、
心を救う感動作まで厳選しました。
① 心を整える・前向きになる本
『道をひらく』 松下幸之助
松下電器(現パナソニック)の創業者が綴った、人生の教え。
短い文章の中に深い言葉が詰まっており、
悩んだときに何度も読み返したくなる本です。
「一歩踏み出す勇気が、道をひらく。」
『生き方』 稲盛和夫
「人は何のために生きるのか」。
その問いに真剣に向き合う哲学書。
真面目に生きることの意味を再確認でき、
再出発を目指す受刑者にもぴったりです。
② 人生を見つめ直す・考えを深める本
『夜と霧』 ヴィクトール・E・フランクル
ナチス強制収容所での体験から、
「人間の尊厳とは何か」を問いかける名著。
極限の中でも希望を失わなかった著者の言葉は、
読む人の心を強くします。
苦しみの中にも意味を見出せる。それが人間の強さだ。
外的影響はどうすることもできないが、
内的影響は自分次第である。
内的自由を失うこと、
未来に希望を持たずに諦めた時、人は死ぬ。
『嫌われる勇気』 岸見一郎・古賀史健
過去を悔やむのではなく、
「今、どう生きるか」に焦点を当てるアドラー心理学の本。
「人はいつでも変われる」というメッセージが、心を軽くしてくれます。
③ 再出発・社会復帰に役立つ実用書
『夢をかなえるゾウ』シリーズ 水野敬也
関西弁を話すゾウの神様・ガネーシャが、
ダメ男を成功に導く物語。
ユーモアの中に「行動することの大切さ」が詰まっています。
読んでいて笑えて、
明日から何かを始めたくなる一冊。
仕事もうまくいかず、恋愛もダメ。
毎日なんとなく生きている“ダメな自分”に嫌気がさしていた主人公。ある夜、酔った勢いで「人生を変えたい!」と強く願うと――
突然、部屋の中に現れたのは、関西弁をしゃべるゾウの神様「ガネーシャ」。「ワシがええ方法教えたる! その代わり、ちゃんと行動せえよ!」
こうして始まったのは、
ガネーシャの“人生改造レッスン”。
課題は一見ふざけたようなものばかり。
- 「靴を磨く」
- 「人を喜ばせる」
- 「お釣りを募金する」
- 「毎日サインを書く」
その一つひとつには、
成功する人が実際にやっている「小さな習慣」の秘密が隠されています。最初は半信半疑だった主人公も、
ガネーシャの言葉に振り回されながら、
少しずつ変わっていく――。
笑えて、泣けて、気づけば「自分もやってみよう」と思わせてくれる物語です。
ガネーシャの口調はユーモラスで笑えるのに、
その言葉の奥には“生き方の真理”が詰まっています。「夢を叶えるのは才能じゃなく、
毎日の小さな行動」
『7つの習慣』 スティーブン・R・コヴィー
世界中で読まれている自己啓発の王道。
「主体性を持つ」「信頼関係を築く」など、
出所後の人間関係にも生きる内容です。
実際に行動に移すことができれば、
必ず人生が変わります!
少し難しいですが、繰り返し読む価値があります。
④ 心が軽くなる・救われる本
『漫画 君たちはどう生きるか』 吉野源三郎/羽賀翔一
友情や正義、
成長を描いた不朽の名作。
漫画版は読みやすく、
文字が苦手な人でも心に響く内容になっています。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ
社会の偏見や差別をテーマにしながらも、
ユーモアと優しさにあふれたエッセイ。
「違いを受け入れる心」が自然と身につく一冊です。
⑤ 感動・希望・共感の物語
佐木隆三『身分帳』
元受刑者の男性が社会復帰を目指す姿を描いた感動作。
社会の冷たさと人の温かさの両方をリアルに描き、
読む人の胸を打ちます。
刑務所を出たばかりの中年の男・三上正夫。
彼は、
人生のほとんどを刑務所で過ごしてきた“元殺人犯”です。
社会に戻った彼の目の前には、
「まっとうに生きたい」という強い気持ちと、
「社会はそう簡単に許してくれない」という現実が広がっていました。
身分証を取るにも、仕事を探すにも、部屋を借りるにも、
すべてが壁。【本当にしんどいです。】
善良に生きようとすればするほど、
世間の冷たさに打ちのめされていきます。
そんな三上の姿を、
偶然テレビ番組の取材で知った若手ディレクターが、
カメラを通して彼の人生を追いかけ始める――。
怒りっぽく、頑固で、不器用。
でも、根はまっすぐで、
誰よりも人を信じようとする三上。
そんな彼の姿は、やがて見る者の心を揺さぶります。
この作品が伝えること
『すばらしき世界』は、
ただの「元受刑者の再出発物語」ではありません。
それは、**「人は変われるのか」「社会は人を受け入れられるのか」**という
誰もが避けて通れない問いを突きつけてきます。
映画もやっていて、
タイトルの「すばらしき世界」という言葉は、
決して“きれいごと”ではなく、
泥にまみれながらも人を信じようとする三上の生き様そのもの。
たとえ何度つまずいても、
人は“真っ当に生きたい”と願う。
それこそが、
この世界の「すばらしさ」なのだと気づかされる。
読みどころ
- 元受刑者を題材にしながらも、「生きること」そのものを描いている
- 見終えたあと、静かに胸が熱くなる
ひと言で言うなら
「社会の外側で生きてきた男が、
もう一度“人間として”生きようとする物語。」
『ビリギャル』 坪田信貴
偏差値30の女子高生が努力で慶應大学に合格する実話。
「どんな過去でも、やり直せる」というメッセージが、
心に響きます。
まとめ:本は「外の世界とつながる希望」
刑務所での生活は、
心の支えが少ない日々。
そんな中で、
本は**「外とつながる唯一の手段」**になりえます。
一冊の本が、
人生を変えるきっかけになることもあります。
「この本なら、あの人の心に届くかもしれない」
そんな思いを込めて、
本を選んでみてください。
✅ 関連記事
💬 あなたの声を聞かせてください
この記事で紹介した中で、
気になった本や実体験、
差し入れ経験があればコメントで教えてください。
あなたの体験が、誰かの希望につながります。

コメント